Lapsang Souchong: Tea of the Month

ラプサンスーチョン:今月のお茶

毎月、当店の豊富なラインナップから新しい紅茶を一つずつご紹介していきます。今月取り上げるのは「ラプサンスーチョン」です。

ラプサンスーチョンが紅茶の元祖であることを知る人は少ないかもしれません。約300年前に中国・福建省の有名な茶産地で誕生しました。「ラプサン」は「松の木」、「スーチョン」は、スモーキーな香りに負けない、大きくたくましい茶葉を指します。

(中国のお茶によくあることですが)この紅茶の誕生には多くの言い伝えがあります。ある貧しい農夫が山賊にゆすられていたとき、山賊が彼を脅そうと、茶葉を保管していた納屋に火を放ったという話です。茶葉は無事でしたが、煙で台無しになったと農夫はひどく落胆しました。捨てようとしたその前に試しに飲んでみたところ、驚いたことに、そこにはスモーキーで奥深い、たまらなく美味しい紅茶がありました。彼はそれを通常の倍の価格で売ることに成功し、困窮から救われました。こうして、茶を燻すという伝統が始まったのです。

ラプサンスーチョンは松の木で茶葉を燻すことで作られ、松ヤニのスモーキーな風味が自然と葉に移ります。この工程は何世代にもわたって洗練され、この地域の茶の木も、この紅茶作りに適した品種へと改良されてきました。

今日では世界で最も有名な紅茶の一つであり、ウィンストン・チャーチルも愛飲していたと伝えられています。彼がこのお茶を好んだのは、愛した葉巻と香りが似ていたからだと言われています。香りは確かに葉巻に通じるものがありますが、その味わいは甘く滑らかです。スモーキーな紅茶は好き嫌いが分かれますが、愛好家にとっては、これ以上なく落ち着く力強い一杯です。

当店のラプサンスーチョンは、濃いチョコレート色の水色(すいしょく)で、松ヤニの強いスモーキーな香りが特徴です。味わいは滑らかで温かく、余韻が長く続くため、体の芯からぽかぽかと温まります。ベーコンやスモークサーモンといった燻製料理との相性が抜群で、ブランチには最適のお茶です。また、そのスモーキーな香りが冷涼な秋の空気の中で焚かれる焚き火を彷彿とさせるため、秋にふさわしい紅茶でもあります。

Lapsang Souchong